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断熱材の厚みについて

2019/12/23

column

昔ながらの大工さんや小さな工務店には断熱について気にしていない人が多いです。大きな会社でも基準を満たしていれば大丈夫という風潮が大半です。このようなところが9割ではないでしょうか?数値だけでは表せない部分もありますが、大抵は数値が高ければ体感として表れてきます。数値については後日記事にしたいと思います。今回は断熱材の厚みについての記事ですが、専門的な言葉をあまり使わずにお話ししたいと思います。

参照:経済産業省

この図のように熱の出入りが一番多いのが、開口部その次が外壁になっております。なので一番最初に意識するのは窓です。会社としてやっているようなところは最低基準は満たしているところが大半でしょう。しかし最低基準を満たせばよいと思っているところも大半でしょう。窓の断熱をワンランク上げるだけで体感として大きく変わってきますし、コストパフォーマンスが一番高い方法です。

一般的な基準としましては屋根の断熱材は壁の倍は必要と言われております。しかしここを意識していない会社が多いように思います。上の図を見ると、屋根のロスは少ないように見えるのが原因かもしれません。なぜ屋根(天井)の断熱が厚く必要なのかを簡単に解説します。

 

分かりやすい夏で説明します。

真夏の最高気温は九州地方は38℃ぐらいになることも多いです。そして冷房を28℃設定にした場合その温度差は10℃です。しかしこれは単純な気温と室温の関係で、直射日光により屋根や外壁は温度差それ以上になります。外壁は約40℃(太陽の位置や、外壁の色によっては50℃を超える壁面もあります。)その際の室内との温度差は12~22℃。しかし夏は太陽高度が高く、屋根に関しては大半の時間で直射日光が当たります。そうした場合屋根の表面は70℃以上に達することもあります。その場合の室内との温度差は40℃以上になります。

ということは、屋根面は壁面より2~3倍もの熱が入ってくることになります。この点を意識せず屋根の断熱をすると冷房のロスによる電気代の高騰や、省エネの住宅ではエアコンが必要ない日まで使うことになります。なかなか体感できない部分ではありますが、ランニングコストで損をしていることになります。逆に冬は夜に放射冷却で屋根面は気温より5℃以上下がることもあります。

このような理由から屋根の断熱材は壁よりも厚く入れなければならないということになります。